臨床腫瘍部は名古屋市立大学病院の中央部門として位置付けられており、当病院における癌治療の中心的な役割を担っています。特に、抗がん剤を用いた癌化学療法を安全かつ安心して実施できるよう、日々、看護師や薬剤師を含むメディカルスタッフと議論をしながら、対応策を院内の運用に実装しています。外来での化学療法を行うための化学療法室には、リクライニングチェア、ベッドを合わせて30床を備えています。
腫瘍内科として、診療面では希少がんや難治がん治療を行っています。各種化学療法を行うほか、遺伝子パネル検査を積極的に導入し、当院におけるゲノム医療も担っています。また、キャンサーボード・ミーティングとよばれる複数の診療科の参加する症例検討会を定期的に開催しており、様々な臓器由来の癌に関して「臓器横断的」な検討を行っています。
研究面では、抗がん剤の副作用を軽減するための方法を検討しているほか、在宅医療チームとの連携強化など、一人ひとりの患者さんへのサポーティブケアに関するエビデンスの創出を目指しています。将来的には、これらの独自の研究成果をもとに、当科において経験を積んだ医療スタッフが、各基幹病院においてがん薬物療法の中心的マネージャーとして活躍することを目指しています。