TREATMENT 診療案内

名古屋市立大学病院
血液・腫瘍内科の取り組み
最先端の血液疾患治療を
名古屋から世界へ

我々のミッション

名古屋市立大学病院、血液・腫瘍内科では、白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫をはじめとする造血器腫瘍に加え、再生不良性貧血や免疫性血小板減少症といった良性疾患まで、幅広い血液疾患の診療を行っています。私たちは、常に「患者さんにとって最善の治療を届けること」をミッションとし、国内外の最新ガイドラインや臨床研究成果を踏まえた、エビデンスに基づく先進的な医療を実践しています。

化学療法

急性白血病では、寛解導入療法・地固め療法・維持療法を体系的に行い、分子病態に応じたリスク層別化を徹底しています。染色体や遺伝子異常の情報を取り入れ、FLT3阻害薬やIDH阻害薬、チロシンキナーゼ阻害剤といった分子標的薬を活用することで、治療効果の最大化を目指します。

悪性リンパ腫における多剤併用化学療法や単剤の新規治療薬、多発性骨髄腫におけるプロテアソーム阻害薬・免疫調節薬・抗CD38抗体といった標準治療に加え、抗体薬物複合体、二重特異性抗体、CAR-T細胞療法などの革新的治療にも積極的に取り組んでいます。臨床試験や治験を通じて最新の薬剤にアクセスできる体制を整え、世界最先端の治療開発とエビデンス創出に貢献しています。

さらに、造血器腫瘍の遺伝子異常を網羅的に調べる遺伝子パネル検査(ヘムサイト™)を導入し、患者さん一人ひとりに最適化された個別化医療の実現を目指します。治療に伴う副作用に対しても、感染予防・輸血・造血因子投与・制吐療法などを駆使し、安全かつ安心して治療を続けられる環境を整えています。

造血幹細胞移植療法

通常の化学療法だけでは治癒が難しい場合には、造血幹細胞移植を積極的に行っています。自家移植・同種移植のいずれにも対応し、骨髄・末梢血幹細胞・臍帯血に加え、HLA半合致(ハプロ)移植も実施しています。移植前前処置は、骨髄破壊的治療から非破壊的治療まで柔軟に選択し、高齢者や合併症を抱える方にも移植の機会を広げています。

当科病棟には、バイオロジカルクリーンルーム(BCR)2床とクリーンルーム(CR)6床を備えており、感染対策を徹底しています。移植後に起こりうる感染症や移植片対宿主病(GVHD)には、多職種チームが経験に基づき迅速かつ丁寧に対応します。さらに、長期的な経過観察とフォローアップを通じて、患者さんの生活を力強く支えます。

治験

当科では、新しい治療薬の臨床開発、すなわち治験に積極的に取り組んでいます。特に多発性骨髄腫に関する治験の実施件数は、国内でも有数の規模を誇ります。

治験とは、まだ承認されていない薬剤の有効性や安全性を評価するために行う臨床試験です。参加を希望される患者さんには、治験によって期待されるメリットだけでなく、予想されるリスクやデメリットについても十分にご説明します。

私たちは、治験を通じて日本における「ドラッグロス」や「ドラッグラグ」を最小限に抑えるとともに、参加してくださった患者さんが新しい治療法の恩恵をいち早く受けられるよう努めています。

チーム医療

血液・腫瘍内科の診療は、医師だけでなく、看護師・薬剤師・臨床検査技師・理学療法士・栄養士・心理士など多職種が連携して行う「チーム医療」です。血液疾患そのものの治療にとどまらず、精神的ケア、生活の質(QOL)の向上や社会復帰も見据え、患者さんとご家族に寄り添った全人的医療を大切にしています。

「ここに来てよかった」と思っていただけるよう、最先端の医療と心のこもったサポートを融合させ、一人ひとりに最適な治療を提供してまいります。

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