EDUCATION 教育活動

後期研修医・専門医向けのプログラム
血液・腫瘍内科医としての専門性を養う

後期研修プログラムの概要:幅広い学びのために

名古屋市立大学血液・腫瘍内科の研修プログラムは、血液疾患と固形がんの両分野を深く学べる点が大きな特徴です。後期研修は3年間で、市大病院での研修をメインに、関連施設と連携しながら幅広い症例を経験できます。

研修プログラムの特徴
  • 充実した症例数: 血液疾患と固形がんの両分野で、豊富な症例を経験できます。

  • 手厚い指導: 指導医や上級医によるきめ細やかな指導のもと、着実にスキルアップできます。

  • 移植・細胞療法の専門性: 愛知県内でも数少ない移植・細胞療法の施設で、専門性の高い治療を学ぶことができます。

  • 研究活動への参画: 臨床研修と並行して、興味のある研究テーマに取り組むことも可能です。学術集会での発表や論文執筆も積極的にサポートします。

3年間のうち、関連施設で半年~1年間、市大病院で残りの期間の研修を行います。市大病院の研修では、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫といった造血器腫瘍や、再生不良性貧血などの良性血液疾患の診断・治療に携わります。特に、造血幹細胞移植やCAR-T細胞療法は愛知県でも数少ない実施施設であり、最先端の治療法を学ぶ貴重な機会です。また、固形がんの化学療法にも積極的に関わることで、血液・腫瘍内科医として幅広い知識とスキルを身につけます。

研修中は、指導医や上級医がマンツーマンで指導にあたり、疑問や不安を解消できるサポート体制が整っています。毎週のカンファレンスでは、担当症例について活発な議論を行い、論理的な思考力とプレゼンテーション能力を養います。学会発表については事前準備から計画的な指導が受けられます。月に1回の悪性リンパ腫病理カンファレンスでは、実際の症例の病理組織所見を供覧しながら診断根拠やその後の経過について学ぶことができます。

関連施設での研修では半年から1年間の研修内容を希望に合わせて設定します。改めて内科全般の診療科をローテートしたり、地域のがん診療の最前線で研修を行います。これにより、大学病院とは異なる症例や診療体制を経験でき、多様な視点から患者さんを診る力を養います。

※関連施設は、旭労災病院や蒲郡市民病院などの血液内科は外来診療のみの地域の病院や、愛知県がんセンターや名古屋市立大学附属病院東部医療センター・西部医療センターといった地域のがん診療病院など様々です。

本プログラムは、将来的に血液内科医、腫瘍内科医として活躍したいと考える後期研修医にとって、実践的なスキルと深い専門知識を習得する最適な環境を提供します。共に学び、成長できる仲間を心よりお待ちしています。

専門医取得フロー:がんのエキスパートを目指して

名古屋市立大学血液・腫瘍内科の後期研修で専門医を取得する場合の一般的なフローは以下の通りです。

  • 内科専門医の取得

    研修開始から3年後、内科専門医試験を受験します。内科専門医は、その後の血液専門医やがん薬物療法専門医を取得するための基盤となる資格です。多くの後期研修医は、このタイミングでの取得を目指します。

  • 血液専門医・がん薬物療法専門医の取得

    内科専門医取得後、あるいは研修と並行して、各専門医の取得要件を満たしていきます。
    ・血液専門医: 日本血液学会が定める研修カリキュラムに基づき、血液疾患の豊富な症例を経験し、試験に臨みます。
    ・がん薬物療法専門医: 日本臨床腫瘍学会が定める症例経験数を満たすためには、市大病院に限らず、関連施設でも研修するなど、経験を積んだうえで試験に臨みます。

    多くの後期研修医は、内科専門医取得後に、さらに2~3年間の専門研修を積み、これらの専門医資格を取得します。

取得できる資格

名古屋市立大学血液・腫瘍内科での後期研修プログラムは、以下の専門医資格の取得を目指す研修医に最適な内容となっています。

内科専門医

日本専門医機構が認定する基盤となる専門医資格です。本プログラムは、内科全般にわたる幅広い知識と技能を習得できるカリキュラムが組まれており、内科専門医の取得が可能です。血液・腫瘍内科の専門性を深めながらも、他科との連携を通じて総合的な内科医としての力を養います。

血液専門医

日本血液学会が認定する専門医資格です。本プログラムでは、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫といった血液がんから、再生不良性貧血などの良性疾患まで、多岐にわたる症例を経験できます。研修期間を通じて、血液疾患の診断・治療に関する深い知識と実践的なスキルを習得し、血液専門医試験の合格を目指します。

がん薬物療法専門医

日本臨床腫瘍学会が認定する専門医資格です。当科では、造血器腫瘍のほか、肺がんや消化器がんなどの固形がんに対する薬物療法を研修する場もサポートしています。多職種チームの一員として、抗がん剤治療の計画立案、副作用管理、緩和ケアまで、包括的ながん治療を学びます。この研修を通して、がん薬物療法の専門家として必要な知識と技術を習得し、がん薬物療法専門医試験の受験資格を満たすことができます。

その他

上記に加え、造血細胞移植認定医(日本造血・免疫細胞療法学会)やがん治療認定医(日本がん治療認定医機構)などの資格取得も可能です。

名古屋市立大学血液・腫瘍内科での研修は、複数の専門医資格の同時取得を視野に入れたキャリア形成を強力にサポートします。充実した症例数と指導体制のもと、専門医としての確固たるキャリアを築くことができます。

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