学生さん、研修医、シニアレジデントの皆様へ
教授
血液・腫瘍内科 部長
飯田 真介
Shinsuke Iida
あなたは、患者さんとお話しすることが好きですか。
私は内科医とは、患者さんのみならずそのご家族も含めた闘病生活を支援する職業だと思っています。患者さんやご家族と同じ目線に立って、その人生の一時期に寄り添うことが大切だと感じています。血液腫瘍やがんに罹患された患者さんやご家族にとっては、病名を宣告された時のショックは想像を絶するものでしょう。治癒された方にとってもその後の人生観は変わるでしょうし、治癒を得ることが難しい方には残された人生は大変貴重な時間になります。そのような心理状態の患者さんやご家族に寄り添っていくわけですから、私たち医師にとって時には辛い経験もします。しかし、一緒に喜べる瞬間もあり、やりがいを感じることのできる職業が私たち医師です。
私たちは、新たな患者さんに出会う度に、その疾患や合併症について医師としてしっかり勉強することは当然です。しかし、現在の医療技術では解決できない多くの問題に遭遇するのも事実です。そんな時、仲間と一緒に課題を共有し、解決出来るように努力してみませんか。私たちの教室は、診療経験の中で感じた臨床的疑問に情熱を持って取り組み、患者さんにその成果を少しでも還元出来るように努力する人たちを全面的に応援しています。
血液・腫瘍内科は、「極めて専門的な診療科である?」と勘違いされています。しかし、私たちは血液像や骨髄像、そして化学療法に精通しているだけで、他に何ら専門的な技術を必要としません。その代わり、全身を診る能力と医療現場での共同作業が必要です。感染症や消化管出血、心不全や腎不全、肝不全、呼吸不全、血糖や電解質の異常、意識障害など様々な病態が突然起こりえます。すなわち一般内科なのですが、単科で全てを解決する能力は持ち合わせていません。適切なタイミングで他診療科の先生の力をお借りする必要がありますし、造血幹細胞移植、緩和ケアや新薬の治験治療など、心の医療センターの先生、看護師さん、薬剤師さん、検査技師さん、CRCさんなどパラメディカルスタッフの方々とのチーム医療(共同作業)が必須です。
仲間と一緒に血液腫瘍やがん患者さんの力になりたい、そんな医師像を持っている皆さん。私たちと一緒に働いてみませんか。私たちは、ベッドサイドからベンチへ、そしてベンチからベッドサイドへ、すなわち「患者さんから学び、患者さんに還元する医療の実践」をモットーにしています。